ヒルトンのタイムシェアが今後も安定成長できる理由

私がヒルトンに在籍していた時、タイムシェアビジネスに関して日本のS社とのジョイントベンチャーの話しがありました。当時は、グランドワイキキアンの開発に目処が付いたものの、それ以降の開発仕込みがワイキキでは困難であるという見方が出ていた時期でした。

1  当時、ヒルトンのトップが日本のS社に対して説明した、タイムシェアビジネスで重用な2つのこと

少し専門的な話になりますが、タイムシェアビジネス成功の秘訣として、1つは継続した開発案件の確保がありました。そして、2つ目がSale & Marketing、日本語で言う集客と販売のノウハウです。当時は、ワイキキないしは日本国内でのリゾート物件の開発販売を計画していましたが、どちらも困難な状態でした。ワイキキでは既に開発用地が無いこと、日本の市場では、法律が違うため、米国のタイムシェアと同じ商品開発が難しい状況でした。

今年、ヒルトン・グランド・バケーション・クラブがNY証券取引場で株式を公開し、新たな成長路線を進みますが、ここで重用な役割をはたすのが、同じくヒルトンホテルからスピンオフして上場した、不動産信託会社『パーク・ホテルズ&リゾーツ』の存在です。

2  パーク・ホテルズ&リゾーツがタイムシェアを専門に開発します

ヒルトン・ハワイアンヴィレッジに、また新たなタワーが加わる予定です。ワイキキのアラモアナ・ブルバード沿い、『グランド・ワイキキアンと『カリア・タワー』の間に位置するアラモアナ通側に、店舗を含む高級ホテルかタイムシェア、もしくはマンションを開発する計画があることを発表しました。  『パーク・ホテルズ&リゾーツ』 が正式に投資家に向けて先月発表した情報です。

この案件は、ちょうど現在 『神戸 ジャパニーズ・ステーキハウス』 をはじめとした、レストランや小売店が立ち並ぶエリアになります。

3  世界一と言われるワイキキのヒルトンハワイアンヴィレッジ

2.7万坪にわたるヒルトン・ハワイアンヴィレッジは、現在 『ラグーン・タワー』『グランド・ワイキキアン・タワー』『カリア・タワー』『タパ・タワー』『ダイアモンドヘッド・タワー』『アリ・タワー』そして『レインボー・タワー』の7つのタワーからなっています。

ご存知のように、現在建設中の、37階建て418部屋のタイムシェア複合施設 『グランド・アイランダー』 も3月にオープンする予定です。

ヒルトン・ハワイアンヴィレッジにはその他にも、4075坪の店舗エリア、20件のレストランやラウンジ、5つのプールとスパが1つ、そして2700坪の会議場が設備されています。

『パーク・ホテルズ&リゾーツ』 によると、ホテルは現在95%の客室利用率を誇っており、このリゾート全体で29億ドル、一部屋あたりに換算すると一部屋100万ドルの価値が見積もられているそうです。ヒルトン・ハワイアンビレッジは過去五年間に改装工事に2億ドル以上を費やしています。

4  ハワイ島でもホテルのタイムシェア化が進みます

一方、ハワイ島にあるヒルトン・ワイコロア・ヴィレッジも大きな変化を迎えようとしています。

『パーク・ホテルズ&リゾーツ』 によると、約600の客室が 『ヒルトン・グランド・バケーションズ』 の一環としてタイムシェアのユニットとして変貌するそうです。1600坪の会議場を含む、この7.6万坪の海辺のリゾートには、一部屋あたり82万5千ドル、全体で10億ドルの価値が見積もられています。

東京からハワイ島への直行便が復活しましたので、今後徐々にハワイ島に活気が戻ってくるものと予想されます。

上記の通り、ヒルトンはオアフ島、ハワイ島の2ヶ所で新たなタイムシェア物権の確保を進めています。年間日本人市場だけで約200億円ほどの売上を上げる安定的なSalesとMarketingのチームを持っています。 つまり、上述したタイムシェアビジネス成功の2つのポイントを抑えていますので、今後もヒルトンのタイムシェアは安定的に成長が見込める可能性が高いと思われます。

 

くじら倶楽部

中山孝志

 

ニュースソース:  Pacific Business News
“Hilton Hawaiian Village may get even bigger” (01/09/2017)

http://www.bizjournals.com/pacific/news/2017/01/09/hilton-hawaiian-village-may-get-even-bigger.html